注目 【鮮血と復讐】女性画家の怨念が宿る、美術史上で最も凄惨な名画
ホロフェルネスの首を斬るユディト

ホロフェルネスの首を斬るユディト

Judith Slaying Holofernes

1分でわかる作品概要 & トリビア

性被害と不当な裁判を生き抜き、女性画家の怒りと覚悟を強烈な返り血とともにキャンバスへぶつけた歴史的傑作。

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作者 アルテミジア・ジェンティレスキ
制作年 1612-1613年頃
技法・画材 油彩、カンヴァス
所蔵 カポディモンテ美術館(ナポリ)

ミオ&リコの深掘りトーク 6トピック

素朴なツッコミと画家の裏話を拾い読み!

【容赦なし】あまりにも生々しい処刑シーン

【容赦なし】あまりにも生々しい処刑シーン
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
ひぃぃっ!! 血が、血がピューって飛んでる!! めちゃくちゃグロいんだけど!!
リコ
リコ (美術裏話通)
これ旧約聖書の話で、国を救うために美女ユディトが敵将ホロフェルネスをベロベロに酔わせて、寝込みを本当に襲って首を斬っちゃう瞬間なんだって!
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
女子ふたりがかりでデカい剣を首にゴリゴリ押し付けてる……!相手も必死で抵抗してて痛そうすぎ!
リコ
リコ (美術裏話通)
男のカラヴァッジョも同じ場面描いてるんだけど、あっちは血がタラーッと控えめに垂れるだけなんだよね。アルテミジア版は弧を描いて噴き出してるから、リアルさが段違いって言われてるらしいよww
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
それもう完全に修羅場のガチ勢じゃん…
アルテミジアはこの構図を2点描いており、これは最初のナポリ(カポディモンテ)版(1612〜13年頃)です。カラヴァッジョ版との「どちらが凄惨か」という比較は美術史でもよく語られますが、優劣に学術的な決着があるわけではありません。

【悲劇の過去】アルテミジアのレイプ事件

【悲劇の過去】アルテミジアのレイプ事件
リコ
リコ (美術裏話通)
このリアルすぎる殺意の描写、画家アルテミジア本人の悲惨な実体験が関係してるらしいんだよね…!
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
えっ? 画家さんの実体験…!?
リコ
リコ (美術裏話通)
彼女17歳のとき、父の仕事仲間の画家タッシに結婚の約束をエサに関係を迫られて、そのままレイプされたらしいの。なのに裁判で疑われたのは彼女の証言の方でさ、指を拷問器具にかけられたんだって…
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
えええ!? 嘘でしょ!? 被害者なのに拷問とか当時の社会どうなってんの!?
リコ
リコ (美術裏話通)
しかも指に紐巻いて締め上げる『シビッレ』って器具で、画家にとって命そのものの指をやられてるのよ。おまけにタッシ本人が同じ法廷で見てる前でさ、彼女『これがあんたがくれた指輪、これがあんたの約束だったよね』って叫びながら耐えたらしくて…
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
指って画家からしたら命でしょ…よりによってそこ狙うとか、拷問する側も分かっててやってる感じがして余計エグい
リコ
リコ (美術裏話通)
この絵はまさに、その悔しすぎる裁判の直後に描かれた復讐の絵らしいんだよね!
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
だからあんなに本気の目で剣振り下ろしてるんだ…
タッシは1612年の裁判で有罪判決を受けましたが、実際にはほとんど服役せず、判決も後に事実上無効化されて1〜2年ほどで自由の身に戻っています。

【顔のモデル】復讐のキャンバス

【顔のモデル】復讐のキャンバス
リコ
リコ (美術裏話通)
だから絵の登場人物の顔にも凄まじい意味があるらしくて!首を斬るユディトの顔はアルテミジア本人で、首を斬られる男の顔は…
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
まさか……その性加害者の男の顔!?
リコ
リコ (美術裏話通)
そのクソ男の顔にソックリ寄せて描いた説が濃厚らしいんだよね!本人は指名手配なんてできないから、キャンバスの中で毎日斬り続けさせてるってことっぽい!
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
え、じゃあこの絵を描いてる何日もの間、ずっとあの男の顔を思い出しながら筆振ってたってこと…? 納品じゃなくて処刑執行じゃん
ホロフェルネスの顔をタッシに似せて描いたという説は、アルテミジアの伝記的事実と作品を結びつける解釈として広まりましたが、本人の証言による確証があるわけではなく、近年は自伝的に読み込みすぎることへの慎重論も出ています。

【共犯者】侍女アブラも殴られている

【共犯者】侍女アブラも殴られている
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
上から男を押さえつけてる侍女のお姉さんも迫力すごすぎ!
リコ
リコ (美術裏話通)
他のユディト絵だと侍女ってだいたい隅っこでオロオロ見てるだけの役なのに、ここでは完全に実行犯枠でしょ。しかも見て、ホロフェルネスの拳、アブラの顎のすぐ下まで来てる
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
え待って、これ侍女も殴られかけてるってこと!? 巻き込まれてるどころか普通に反撃食らってるじゃん
リコ
リコ (美術裏話通)
ユディトだけじゃなくアブラも命懸けで押さえ込んでる構図でさ、他の伝統的なユディト絵だと侍女は基本ノーダメで見てるだけだから、ここまで巻き込むのはアルテミジアが結構異色らしいよ
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
共犯どころか被弾までしてるの草。この2人、普通に戦友じゃん
アブラを能動的な共犯者として描く構図は、多くの伝統的なユディト像(侍女は脇で見ているだけの構図が主流)と対照的だと美術史でしばしば指摘される解釈で、画家自身の証言による裏付けがあるわけではありません。

【不屈のキャリア】史上初の女性アカデミー会員

【不屈のキャリア】史上初の女性アカデミー会員
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
そんな酷い事件に遭ったのに、その後も画家として生き残れたの?
リコ
リコ (美術裏話通)
そこが本当にすごいところで、事件のあとフィレンツェに移って、実力だけで女性初の美術アカデミー会員に選ばれてるんだよね!
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
え、事件から立ち直るとかいうレベル超えて普通にキャリア爆走してるじゃん
リコ
リコ (美術裏話通)
しかもそこで終わらずさ、56歳になってもまだ現役で、パトロンに値切り交渉されたときに手紙で啖呵切ってるんだよ。『閣下に、女に何ができるかお見せしましょう』って。デビューから40年近く経ってもまだそのスタンスなの
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
40年戦い続けてるのシンプルにヤバいて。それもう職人気質通り越して執念じゃん
リコ
リコ (美術裏話通)
で、2020年にロンドンのナショナル・ギャラリーが、開館以来初めて歴史上の女性画家1人だけのために大回顧展をやったのがアルテミジアなんだって。しかもそこの常設コレクション、男の絵が2300点あるのに女性の絵は当時まだ21点しかなかったらしくて
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
つまり『女に何ができるか見せてやる』って啖呵、400年後に美術館の方から『すみませんでした』されたってことじゃん。啖呵の勝ち逃げ強すぎ
1649年の手紙は、シチリアの収集家ドン・アントニオ・ルッフォ宛てに、報酬交渉の中で書かれたものです。ロンドン・ナショナル・ギャラリーの回顧展は2020年10月〜2021年1月開催で、女性画家個人を単独で特集する同館初の企画展でした。

絵の代金を取り立てたのはガリレオだった

絵の代金を取り立てたのはガリレオだった
リコ
リコ (美術裏話通)
実はこのユディト、アルテミジア本人がもう1回、しかももっとエグく描き直してるんだよね
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
は? 自分でリメイクしたってこと? この生々しさでまだ足りなかったの!?
リコ
リコ (美術裏話通)
フィレンツェに移ってから、メディチ家のコジモ2世に頼まれて描いた2枚目がウフィツィ美術館にあるんだけど、そっちは血がもっと勢いよく弧を描いて飛んでるらしいよ
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
誰得のバージョンアップ…!?
リコ
リコ (美術裏話通)
しかもその生々しさが逆にドン引かれて、メディチ家のギャラリーには展示してもらえなかったんだって
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
描いた本人は画力上げてきたのに、依頼主がビビって非公開にするのウケる
リコ
リコ (美術裏話通)
おまけに代金もなかなか払ってもらえなくて、揉めてるうちにコジモ2世が死んじゃって、結局取り立てを手伝ってくれたのが友達のガリレオ・ガリレイだったらしいの
ミオ
ミオ (素人ツッコミ担当)
は? 望遠鏡のガリレオ? 天体観測してる場合じゃなくて借金取り立ての助っ人になってるじゃん
リコ
リコ (美術裏話通)
地動説より先に『金は払え』を証明してたってことだね
ウフィツィ版は1620年頃の制作で、メディチ家当主コジモ2世の依頼だったと考えられていますが、正式な契約書等での確証ではなく推定です。友人ガリレオ・ガリレイが代金回収に協力したことは当時の書簡から確認されています。

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AI学芸員チャット(ミオ&リコ)

対象: ホロフェルネスの首を斬るユディト

ミオ
ミオ(ツッコミ)
「ホロフェルネスの首を斬るユディト」について気になることあったら何でも聞いて!「これ何がすごいの?」みたいな素朴な疑問でも全然OK!
リコ
リコ(裏話通)
ミオの言う通り!作者のアルテミジア・ジェンティレスキの奇行とか、裏話ならなんでも教えちゃうよ!

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ホロフェルネスの首を斬るユディト
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